『わたしは繊細さん まんがでわかる! HSPが自分らしく生きる方法』レビュー

精神

武 嶌波(たけしま・なみ)さん著、武田 友紀(たけだ・ゆき)さん監修の『わたしは繊細さん まんがでわかる! HSPが自分らしく生きる方法』(飛鳥新社、2020年)のレビューを書きたいと思います。

この本は借りたものをさらっと一回読んだだけですので、その範囲でレビューしていきたいと思います。
感想としましては読みやすく、そしてHSPとは何か知らない人が読んでも、HSPの人とはどんな人なのかが分かる内容になっているかと思います。
絵もタッチが柔らかくて、好きです。

HSPの簡単な説明

HSPに関する概要は過去の記事にも書きましたが、「Highly Sensitive Person」の略であり、「非常に繊細な人」「すごく感受性の高い人」といった意味があります。
感覚から得た情報を処理する神経が敏感であるため、そうなってしまうそうです。

関連記事:HSPについての説明

そのため、たとえば機嫌の悪そうな人を見ると、自分のせいで機嫌が悪くなってしまっているのかもしれないという自己関連妄想的になってしまったり、人間関係で必要以上に気を遣ってしまい、くたくたになってしまったり、音や光や匂いに敏感であったり、物事を細かいところまで観察してしまうところなどがあります。
この漫画でいうと、ウグイスの体毛の色の差を観察して、親子であると判断することなどですね。

そしてそういった敏感な気質をもった主人公が、HSPのカウンセラーと共に、どのようにして自分の気質と折り合いをつけていくかというお話になっています。
ここで「気質」と書きましたが、HSPは病気でも障害ではなく、気質なのです。

下の表はみさきじゅりさん『ささいなことに動揺してしまう 敏感すぎる人の「仕事の不安」がなくなる本』(2018年、秀和システム)から抜粋したものです。また、以下に述べるHSPの簡単な説明は、みさきじゅりさんの本からのものになります。

時期成長での変化状況での使い分け
気質生まれ持ってのものしないできない
性格生まれつきと経験や環境によるするできる

気質とは生まれもってのものであり、成長による変化はしないものです。
そしてHSPもその変化しない気質である以上、治るものではないと考えられます。
したがって、HSPとは治療しようとするものではなく、折り合いをつけるものであるということができます。

また、HSPの人口ですが、これは国籍や性別に関係なく、人口の15~20%はHSPということになります。つまり大体5人に1人はHSPということになります。

そういったことを踏まえながら、この本のレビューをしていきたいと思います。

わたしは繊細さん まんがでわかる! HSPが自分らしく生きる方法 [ 竹嶌波 ]

価格: 1,200円
(2021/1/14 18:35時点)
感想(2件)

レビュー

内向的な人向けかも

この本の中で、HSPのカウンセラーの友紀さんが、人間関係で折り合いをつけていくための方法を色々と教えていらしたのですが、それらの方法は、私が心理学関連の本を読んで学んだことと重なっているなということでした。

そしてその方法は、「自分はHSPかどうかは分からないけれども、内向的な性格である」と自認している人が読んでも、「なるほどな」と思えるような内容であるような気がします。
なので、そういった人も読んでみるといいかもしれません。

先に挙げた関連記事にも書きましたが、敏感であるというと、内向的なイメージが先行してしまいがちな気がしますが、HSPの約30%は外交的な性格のもち主でもあります。
また、この本の中でも、HSPの人には攻撃的な人もいるということが説明されています。
攻撃的になることによって、繊細な自分を守っているのです。

しかしながら、この本は、どちらかというと内向的な人向けのものであるような気がします。

自分軸を太くしよう

そして、友紀先生のアドバイスの中で一貫しているテーマは「自分軸を太くしよう」ということであります。

内向的なHSPの人は、たとえば親であったり、他人であったりに対して、他人の気持ちを察しすぎて、つい他人に合わせてしまいがちなところがあります。
先に挙げた「あの人の機嫌が悪いのは自分のせいかな?」と思ってしまうことなどがそうですね。

その結果、ついつい他人を優先してしまいがちになります。
これはHSPに限らず、内向的な人が陥ってしまいがちなところではないでしょうか。

もちろん他人を優先するということは、時には大切なことではあると思いますが、自分の軸をもたずに他人に合わせてしまう状態というのは、健全な人間関係を築けているとはいえないでしょう。

私は昔、心理学関連の本を色々と読んでいた時期がありましたが、その中にはよく、自分を大切にすることの大切さが書かれてありました。

自分を大切にするというと、「自己中心的」と捉えられてしまい、あまりいいことには感じられないと思っていた時期が私にもありましたが、健全な人間関係とは、自分をもった者同士が調和することであるということを学びました。
もちろん度の過ぎた自己中心性はいいものではありませんが。

自分をもった者同士であるにもかかわらず調和できるのは、おそらくは仲良くなれる人とは、似たような感受性をもった者同士であるからでしょう。
また、性格の合わない人と付き合うときにおいても、自分のある人は「ここまでは譲れるけれども、ここからは譲れない」という線引きの基準をもっているからこそ、時にはぶつかり合うことによって、お互いを理解することができるのでしょう。

また、理解し合えなかったとしても、少なくとも自分を守れるようになるため、人に合わせすぎて消耗するということはなくなるでしょう。
そういったことを心理学関連の本――主に加藤諦三さんの本――を読んで学びました。

自分をもっていないと上手くいかない

私も自分をもっていなかった時期があり(今も軸があまり安定してないかもしれませんが)、そのときは他人を優先することが美徳であると思い、よく他人を優先するように心がけていました。
けれどもなぜか他人にあまり好かれることがありません。
「こんなに尽くしているのに、なぜ?」と思ったことがありました。

その理由は、私が他人に尽くしている理由は、他人から捨てられることに対する恐怖からの賄賂(わいろ)であったからであると考えられます。
自分をもっている人はそういった人と付き合っていると、「何となく重い」と感じて去っていくのでしょう。

また逆に、自分のない人は何を頼んでも断らないのをいいことに、無理難題を押し付けられて、搾取される可能性もあります。
そういったとき、何かを押し付けるタイプの人は「断ったらお前を捨てるよ」と暗にその人を脅していることがよくあるそうです。
本当はそういった人との関係は切れたほうがいいのだけれども、自分のない人は自己肯定感が低いからか、必死に食らいつき、最終的には病んでしまいます。

この本にはそういった極端なケースは出ていなかったですが、主人公の押しが弱いために、母親や彼氏から、「こういうあなたが好き」という「好きなあなた像」を、知らず知らずのうちに押し付けられてしまっています。

そういう事態を避けるためにも、また、健全な人間関係を築くためにも、自分軸を太くすることは大切であります。
度の過ぎた自己中心性や、心が病んでしまうくらいの優しさのような極端に偏ることが不健全であり、バランスが大切なのだと思います。

自分軸を太くする方法

では、どうすれば自分軸を太くすることができるのでしょうか。

そのためには、自分はどういった景色が好きか、どういった色が好きか、何を食べるのが好きかなど、自分にとっての「好き」を見つけていくことが一つめであります。

また、友紀先生も言っておられましたが、「好き」だけではなく、「嫌い」と思うことも大切です。
「嫌いと思うことも大切」というと、ネガティブなことにフォーカスするみたいで、どうなんだろうと思うところもありますが、今の私がそう思えるのは、ある程度は自分の「嫌い」「苦手」がはっきりしてきているからであると思います。

「嫌い」「苦手」がはっきりしているからこそ、嫌いな状況や、苦手な人を回避することができますし、回避できないにしても、嫌い・苦手なりにどう接していくかを考えることによって、自分の受ける精神的なダメージを軽減させることができます。

また、これ以上この人の言うことを聞いていると精神的にもたなくなってしまうと感じたときには、相手と対立することもできるでしょう。
相手と対立するということは、あまりいいことであるとは思えませんので、なるべくやらないに越したことはないし、なるべくやらない方向にもって行った方がいいとは思いますが、「このままでは持たない、このままでは取り返しがつかなくなってしまう」と感じたときはやむを得ないと思います。
自分の意見をあまり言ったことのない人が意見を言うときには、それなりに勇気がいるとは思いますが。

しかしながら、ネガティブな感情は、あまりフォーカスし過ぎると、気分が重くなってしまいますので、ほどほどがいいでしょう。

あとは、HSPの人は非HSPの人の思考回路を学ぶ必要があるかと思います。
非HSPの人を観察することによって、普通の人はこんなにも神経質に仕事をこなしていないので、自分もほどほどにしておこう、普通の人も必ずしも完璧に他人に対する気遣いができているわけではないので、自分もほどほどにしておこうと思えるようになります。
そう思えることによって、少しは精神的な負担が減るようになるでしょう。

最後に

私は発達障害人であり、発達障害の特性にも「知覚過敏」であるとか、「情報の取捨選択のフィルターが上手く機能していないため敏感である」といった説明がされています。
なので、私は発達障害によって敏感なのか、HSPによって敏感なのか、それとも両方なのかはよく分かりません。
しかし、敏感であったり、繊細であったりすることは事実です。

最近では、自分の発達障害と折り合いをつける方法を勉強したおかげで、症状が少しずつ改善していっています。
その結果、精神的に余裕が出てきたからか、「繊細なのも悪くないな」「他の人があんまり気づかないことに気づけるのってなんかいいね」とも思えるようになってきました。

繊細な人が成長することができれば、「気にしすぎだよ」と言われている他の繊細な人の気持ちに寄り添えるようになるのではないかと思います。
私も、いつしかそんな風になれればいいなと思います。

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