今回は、私がうつになり、そして回復してきた過程について、二つの記事に分けて書いていきたいと思います。
私は、今年(2020年)の2月の初め、風邪を引いたことを皮切りにうつ状態に陥っていました。
このあたりからコロナウイルスが流行してきていますが、幸いにも普通の風邪でした。
そして現在は、少しずつではありますが、うつ状態は回復に向かってきています。
うつになる原因は色々あるだろうと思いますし、回復するための絶対的な正解もあるのかどうか分かりません。
しかし、私がうつ状態になって回復してきた過程が何らかの参考になる可能性もありますので、ここで私がうつ状態から回復するまでの過程を記しておきたいと思います。
また、先日に死にたいと思ったことについて書きましたが、それもうつ状態の中で考えていたことの一つということになります。
きっかけは発達障害による風邪
冒頭でも書きましたように、今年の2月の初めに風邪を引いたことが、うつ状態の始まりでした。
風邪を引き始めた頃は、「またか」という気持ちが強かったです。
なぜならば、それは私にとってはよくあることだからです。
以前、どこかで書いたかもしれませんが、私は発達障害もちであり、そしてまた、HSPのように、敏感な感受性をもっています。
この敏感な感受性は、発達障害からくるものなのか、それともHSPからくるものなのかは分かりませんが、とにかく敏感な感受性をもっているようなのです。
したがって私はストレスが溜まりやすい傾向にあるようです。
そしてストレスが溜まっていくと、次第に身体が熱くなっていき、終いには発熱をして風邪を引いてしまうという症状が顕れます。
この、オーバーヒートしてしまうという症状は、医師の方からも発達障害の症状であると聞いていたので、発達障害の症状であると思います。
そのような過程で風邪を引くことが、私にはよくありました。
そして2月の初めに風邪を引いたときも、そういった過程で引いた風邪であるという感覚を覚えました。
また、そういった過程で風邪を引いたとしても、最近では風邪の症状が完治すれば、少しずつ習慣付けていきさえすれば、風邪を引く前と同じ生活に戻ることができたので、風邪の症状が完治しさえすれば、また元の生活に戻れるだろうと思っていました。
しかし、今回は風邪の症状が完治しても、元の生活に戻ることができませんでした。
風邪の症状が治った後、物凄く無気力な状態に陥りました。
私はよく、自分の症状を説明するために車をたとえに出すのですが、たとえるならば、車のガソリンが抜けてしまって、全く動けなくなるような状態が続いていました。
無理に動こうとすると、寒気を覚えるほど気分が悪くなってきます。
なので、何かをしようと思っても何もできず、ひたすら横になっているだけの日が続いていました。
無気力状態になる
無気力とは辛いもの
とにかく、何かをやろうと思っても、何かをしようとすると寒気を覚えるなどの症状が出てきて、身体が拒絶反応を起こしてしまうので、横になることぐらいしかやることがありませんでした。
横になっているだけでは物凄く暇を感じるので、横になっている間は、動画を観たり、パソコンをいじったりしていました。
その程度のことしか出来ることがありませんでした。
その間は、ビジネス系のトピックスは見ませんでした。
その選択が正解だったのかどうなのかは分かりませんが、今見ても何もできることはない上に、やはりある程度の結果を出している人は共通して「量をこなすことが大事」であると言います。
その言葉は、動くためのエネルギーが切れてしまい何も出来ない私にとっては大変辛い言葉でありますし、まるで「弱い奴に生きる資格はない」と言われているようで大変辛い気持ちにもなりますので、症状が改善するまでは見るのを控えようと思いました。
ところでこのエネルギーの枯渇感という症状はうつ病に該当するのかどうか、担当の先生に聞いたところ、どうやらうつの症状には微妙に該当しないようでした。
ただし、普通のうつ病と発達障害の二次障害によるうつ病は微妙に患者の訴え方が違ってくる。
そして、私のような発達障害をもつ者の二次障害のうつ病の中で、「エネルギーの枯渇感」もあるという話も聞いたことがあるという回答を頂きました。
あくまでもそうであると断言せずに、「聞いたこともある」という回答を頂きました。
それから暫くの間は横になりながらネットをする日々を過ごしていました。
その間は、凄く辛い日々でありました。
とにかく「何もできない」ということが物凄く辛かったです。

弱肉強食を感じる
また、今の私はお金に余裕のない生活を送っていますが、もし、私が今以上に、明日食べるものがあるかどうか分からないぐらいに生活がひっ迫している状況だったとするならば、今の私の精神状態ではそれに抗うことすらできない。
そう思うとゾッとしましたし、世の中が弱肉強食であるということを痛感させられました。
また、そのときは自分がこんなにも無気力になっている理由が本当に分からなかったため、カウンセリングを受けたいとも考えていました。
しかし、高いカウンセリング代を出せる気がしなかったので、断念しました。
このときに、お金がないことによって精神状態が悪くなっている人はカウンセリングを受けにくく、お金に余裕があり、精神状態が悪くなりにくいと考えられる人はカウンセリングを受けやすいという事実に、世の中の矛盾のようなものを感じました。
もちろん、人の悩みは様々であるので、お金がある人にもその人のレベルによる悩みがあるということは認めます。
とにかく、そのような八方ふさがりな状態で暫く時間を過ごしていました。
気力の出し方を一つ
ところで、気力の出し方に関して最近得た知識なのですが、それは河合隼雄さんの『こころの処方箋』(新潮文庫、1998年)の中で述べられている、「心の新鉱脈を掘り当てることによって新たな精神的なエネルギーが出てくる」ということです。
どういうことかと申しますと、たとえば新しいことを始めてみたとき、その始めてみた「新しいこと」が案外自分にとって楽しいものであり、熱中できる場合、その「熱中できること」をすることは、自分にとっての心の活力に繋がるというものです。
自分にとっての「心の活力」に繋がる「熱中できること」を見つけること。
そのことを河合さんは「心の新鉱脈を探り当てる」という表現を用いて述べています。
なのでもし自分にとっての「熱中できること」がない場合は、色々新しいことを始めてみてもいいのではないかと私は思います。
そしてその「心の新鉱脈」を掘り当てると、「日々の仕事」と「熱中できること」を両立することになり、作業量が増えることになりますが、熱中できることを見つけることができた人は、案外それでも活き活きと生活しているというわけです。勿論限度はあるだろうとは思いますが。
人間の心のエネルギーは、多くの「鉱脈」のなかに埋もれていて、新しい鉱脈を掘り当てると、これまでとは異なるエネルギーが供給されてくるようである。
河合隼雄『こころの処方箋』(新潮文庫、1998年、100頁)
そして私にとっての「楽しいこと・熱中できること」は絵を描くことでありますので、まずは動けるようになるためのきっかけとして、絵を描くことを再開し始めました。
すると、少しずつ絵は描けるようになってきました。
また、絵を描き始めるちょっと前ぐらいに私が無気力になった原因も分かってきたような気がします。これは本当に偶然の出来事でした。
この話については、また次の記事に書いていきたいと思います。
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心の新鉱脈を掘り当てよう
ということで、私がうつから回復するまでの過程の前編を終了させて頂きます。
うつの中の、あまりおぼつかない集中力の中で、河合隼雄さんの『こころの処方箋』(新潮文庫、1998年)に出会ったことは、一つの収穫であったと思います。
そしてその中で有益であった情報の一つは、気力を出すためには色んなことに挑戦してみて、自分が楽しいと思えたり、熱中することの出来る事、つまり「心の新鉱脈」を掘り当てるのがよいということでした。
元気になったら、色々と挑戦してみて、「心の新鉱脈」を掘り当てられるようにしたいと思います。
「けれども今、私は無気力であり、挑戦する元気がない。この無気力をどうすればいいのか?」という疑問に対する答えは、次の記事で紹介したいと思います。
しかし、あくまでもそれは私に当てはまった話であり、普遍性があるかどうかは分かりません。しかし、それでも何らかの形で参考になれば幸いです。
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